確定申告書を3期分用意せずとも、頭金数十万円で東京23区内に新築マンションを買うことができました

個人事業主が独立3年目で住宅ローンを組んだ体験記

住宅ローン審査 確定申告

住宅ローン審査を通すための確定申告とは

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住宅ローンの審査を通すための確定申告に関しての最大のポイントは「経費」の扱いです。

多くの方がご存知かと思いますが、順を追って説明しますと、個人事業主(自営業・フリーランス)と会社員の経済面での大きな違いのひとつに「経費」の有無があります。

最近では、サラリーマンでも経費にできるものがあるなどという話も耳にしますが、それでも個人事業主と比べるとその範囲は限定的です。

そもそも会社員は、会社が経費として持ってくれるものも多いです。毎日の通勤費から、社外の有料の研修費用、仕事に関係するものであれば書籍の費用も持ってくれるケースもあるでしょうし、最近は以前に比べて自由が利かなくなったという話も聞きますが、接待交際費も会社やその中での役職・地位によっては一定額出るところもあります。個人事業主はこれらが基本的に全部自腹です。とはいえ、収入のうち、それら事業遂行上必要なものに費やした金額にまで課税してしまうのはおかしいのでそれらは経費として所得から控除することができます。

個人事業主の”節税”方法のひとつは、この

経費にできるものをきちんと経費として計上すること

です。

節税は住宅ローン審査通過の敵?

確定申告を青色申告でしている人は、ご家族を「青色専従事業者」としていることもあるでしょう。要は、奥さんに給与を払ってその分を経費にするというものです。給与を受け取った奥さんは奥さんで当然、その給与から税金を支払わなければならないのですが、その分を自分の所得として算出する税額よりも、奥さんの給与として算出する税額の方が、税率が低くなるため、トータルで見ると節税になるというわけです。

ご存知の方は読み飛ばしていただければと思いますが、ひとつ例を出しましょう。

所得が700万円の個人事業主がその全額を自分の課税所得として確定申告する場合、所得税は
700万円 × 税率23% - 控除額636,000円 = 974,000円…(★)
です。

一方、所得が700万円の個人事業主が、うち140万円を奥さんの給与にして確定申告する場合は、まずその人の所得税は
(700万円 - 140万円) × 税率20% - 控除額427,500円 = 692,500円

です。そして、奥さんの所得税はいくらかというと、195万円以下はシンプルに一律税率5%ですので、
140万円 × 税率5% = 70,000円

この2人の所得税を合わせると
692,500円 + 70,000円 = 762,500円

上に記載した(★)の金額と比べると、実に20万円以上も節税できる計算になります。

節税のことだけを考えれば、これは非常に有用な方法だと言えます。

しかし、住宅ローンにおいて見られるのは
青色専従者への給与を含む経費を控除した”後”の所得金額
です。

確定申告書上、2,000万円の「事業収入」があっても、いろいろなものを経費として参入した結果、1,000万円の「事業所得」になった場合、住宅ローンは1,000万円で借りられる範囲までしか借りることができなくなります

こちらからしてみれば、「ウチの所得は1,000万円じゃないですよ。経費のうち、180万円は節税対策として奥さんに払った給与ですので1,180万円として見てください」という気持ちになるかもしれません。

しかし、住宅ローンの審査においてそのような話は基本的には通用しないのです。

青色専従事業者への給与支払いを含め、経費にするものを多くすれば多くするほど、課税所得金額は下がり、結果、節税が見込めます。しかしその節税が住宅ローン審査においては仇となる可能性があることを、これからローンを組んで家を購入しようと考えている自営業の方は肝に銘じておくべきだと思います。

右肩上がりの確定申告書を

3期分の確定申告書を提出するのなら、その3期の「事業所得」は右肩上がりにせよ

という話もよく言われます。たとえば、
平成26年度:700万円→平成27年度:800万円→平成28年度:900万円
といった形ですね。

これは審査する銀行の心象を考えてみるとわかると思います。
逆の右肩下がりのケースを考えてみましょう。
たとえば
平成26年度:900万円→平成27年度:800万円→平成28年度:700万円
といったケース。あなたが銀行の住宅ローン審査担当者だったとして、こういった3期分の確定申告書が届いたらどのように感じるでしょうか。

「そんなこと言われても、住宅ローンの審査なんてしたことないし」と思われるかもしれませんが、何も難しく考えることはありません。この3年間の平均事業所得は「800万円」ですが、それをベースに融資金額を算出しようと思いますか?この3年間右肩下がりで、直近は700万円だったんです。来年は600万円台になってしまうかもしれません。そんな人を事業所得800万円とみなして、融資するでしょうか。

もちろん借入希望額や他の条件面も含めて総合的に判断してみないことにはなんとも言えませんが、心象として

年々下がっている確定申告書を提出すると「この人の事業はちょっと傾いてきているのかな」などと思われる可能性がある

のは認識しておくべきでしょう。
逆に3年間右肩上がりの確定申告書を出せれば、銀行も「この人の事業は順調そうだな」と捉えて、より住宅ローンの審査を通してもらえる可能性は高まります。

しかし実際問題「3年間、必ず右肩上がりにしろ」と言われたところで「はい、わかりました。そうします」と簡単にできるものではありません。そんなことで売上を伸ばせるならみんなやっていますからね。また、言わずもがな「右肩上がりにするために1年目は稼がないでおこうか」などとするのも本末転倒なもったいない話です。そんなこともする必要はありません。

私が提出した確定申告書は2期分でしたが、1年目よりも2年目の方が結果的に若干事業所得が多くなっていました。一応、右肩上がりです。もしかしたらこれも、あったとしてもわずかでしょうが、住宅ローンを通せた理由のひとつだったのかもしれません。

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